2014年08月21日

In A Sentimental Mood

デューク・エリントン(Duke Ellington 1899?-1974)による1935年の作曲。
同年彼のオーケストラにより初演された。

歌詞は後年、マニー・カーツ(Manny Kurtz)及びアーヴィン・ミルズ(Irvin Mills)によって、この曲の為に書かれたもの。
詞はラブ・ソングともとれる内容だが、エリントンは母の死を悼んでこの曲を書いたとも言われている。

最初のレコーディングは、彼のオーケストラによりOtto Hardwicke、Harry Carney、Lawrence Brown、Rex Stewartらのソロをフィーチュアする形で演奏された。

音楽的には、対位法(contrapuntal)や半音階的構成による静的な和声技法が用いられている。
印象的なメロディと共に、和声進行におけるクリシェがこの曲の特徴となっている。

エリントン自身の演奏としては、ジョン・コルトレーンとの共演によるものが有名。


・その他の主なレコーディング
Art Farmer(fln) "To Duke with Love"
Art Tatum (pf)
Benny Goodman (Cl & BL)
Bill Evans (pf) "The Secret Sessions: Recorded at the Village Vanguard 1966-1975"
Billy Joel (Vo)
Cedar Walton (pf) "The Maestro"
Daniel Barenboim (pf & cond)
Dave Pike (vib) "Pike's Peak"
Django Reinhardt (g)
Ella Fitzgerald (Vo)
George Arvanitas (pf) "Rencontre"
Isao Suzuki (b) "Black Orpheus"
Jay McShann (pf & BL)
Jerome Richardson (As) "Jazz Station Runaway"
Kenny Burrell (g) "Guiding Spirit"
Lee Konitz (Ts) "Jazz Nocturne"
Lee Oskar (harp) "Those Sunny Days"
Lucky Thompson (Ts) "Lucky Strikes"
Michel Petrucciani (pf) "Concerts Inedits"
Michel Petrucciani (pf) "POWER OF THREE" with Jim Hall(g), Wayne Shorter(Ts)
Nancy Wilson (Vo)
Oliver Nelson (Ts) "Nocturne"
Peter Leitch (g) "Mean What You Say"
Phyllis Hyman (Vo)
Ronnie Mathews (pf) "Ronnie Mathews Trio"
Sarah Vaughan (Vo)
Shigeharu Mukai (Tb) "Favorite Time"
Sonny Rollins (Ts) "Milestone Jazzstars"
Sonny Rollins (Ts) "Sonny Rollins and the Modern Jazz Quartet"
Stan Getz (Ts)
Stanley Turrentine (Ts) "Live at Blues Alley"
Steve Grossman (Ts) "Steve Grossman Quartet"
Tetet Montoliu (pf) "Sweet 'n Lovely, Vol. 1"
Tommy Flanagan (pf) "Communication- Live at Fat Tuesday's"
Zoot Sims (Ts)
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Take the 'A' Train

Take the 'A' Train

邦題は『A列車で行こう』。
デューク・エリントン楽団のシグネイチャー・チューン(テーマ曲)として有名な軽快なスウィング曲。

1941年、デューク・エリントン楽団のピアニスト兼作編曲者であったビリー・ストレイホーン(William "Billy" Thomas Strayhorn 1915-1967)による作曲。

作詞は1944年、ジョイア・シェリル(Joya Sherrill)に後付けされたもの。


Billy Strayhorn
ストレイホーンは1915年、オハイオ・デイトンの生まれ。
幼少期、祖母から讃美歌を習い、音楽学校でクラシック音楽を学んでいたが、クラシックの作曲家として身を立てるという夢は当時の人種差別の現実によって打ち砕かれる。
そして、19歳の時、アート・テイタムやテディ・ウィルソンらのピアニストの演奏を聴いたのがジャズへの入り口となったという。

初めてエリントンの演奏に接したのは音楽学校の学生でありながら既にミュージシャンとしてキャリアを踏みだしていた十代の頃、当時の地元ピッツバーグへやって来た彼の公演を観に行った時だった。

その後1938年、評判を聞いて面会に来たエリントンから「(ピッツバーグから)NYに来ないか?」と誘いを受ける。
その時のエリントンの道案内のセリフに、"Take the 'A' Train."(A列車に乗って来るように)というものがあったらしい。


ストレイホーンはピアニストで作編曲家であり、自身もバンド・リーダーを務めていた。

同曲以外にも、"A Flower Is a Lovesome Thing", "Blood Count", "Chelsea Bridge", "Drawing Room Blues", "Isfaan", "Johnn Come Lately", "Lotus Blossom", "Lush Life", "Rain Check", "U.M.M.G.(Upper Manhattan Medical Group)."といった作品の作曲で有名な他、
エリントン楽団最後の20年間における楽編曲において重要な役割を担い、
また、補助的なピアニストとして(エリントンが指揮やパフォーマンスに専念する場合など)演奏に参加する事も多かった。

彼とエリントンの協働関係の全容を表現するのは容易ではない。
彼は控えめな性格であり、同性愛者である事を表明し公民権運動家として活動していたこともあって、多くの作品をエリントンのものとして発表する事があった。
一方でエリントンも後年、協働で創作したものであっても彼単独のクレジットで発表するなどの配慮を見せた。

ともあれ、彼がエリントンの音楽にクラシックの音楽教育で培った和声技法やリニア・ラインをもたらし表現の自由度を広げた事は間違いない。

後年、一時的にエリントンの元を離れて製作された彼のソロ作品では、エリントン楽団では見られない哀愁やほろ苦さを帯びた作品を聴く事が出来る。



A列車について
古いブルースなど蒸気機関車をモチーフにした曲も多い為、同曲も汽笛を鳴らながら走る機関車をイメージした様なアレンジが存在するが、元来はニューヨーク市内を走る地下鉄の電車をモチーフにしたもの。

「A列車」とは、ニューヨーク市地下鉄(MTA)の、ブルックリン東地区からハーレムを経てマンハッタン北部を結ぶ8番街急行 (A Eighth Avenue Express) の名称。
同地下鉄では同じ路線を走る快速や各駅、運転区間・系統(ライン)の異なるものを区別するため、車両の前面に利用者への誤乗防止の注意喚起としてA、B、C、といったの丸い円盤状の看板(日本でいう種別札)が掲げられている。

表題は、それらのラインの中から、「NYの外から来てハーレムに行きたいなら、停車駅が少なく早くハーレムに行ける"Aライン"の看板のついた電車に乗るように」といった意味が込められている。

歌詞の内容もマンハッタン各地の名称をあげつらえたもの。
歌詞中の「シュガーヒル」は、ハーレムの西に位置する文化人や経済人の住む高級住宅街。
沿線のメインストリートである125丁目には黒人音楽の聖地アポロ・シアターがある。

Aラインは路線長31マイル以上で地下鉄の一区間としては世界最長を誇る(2008年現在)。






P.S.
晩年、エリントンはコンサートで同曲を紹介する際、
(得意げに)「続いてお届けする曲の特筆すべき点は、当バンドきってのピアニスト(自分自身の事)のソロから始まるという事です」
と語るのが、MCネタの定番になっていたという。

また、エリントンはインタビュー等で「NYで一番ホットなジャズを聴くにはどうすれば良いですか?」などと聞かれた際には、冗談めかして「A列車に乗れば良いのさ」と返答していたとか。
posted by Clark at 00:58 | Comment(0) | JAZZ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ジャズスタンダードとは

と、タイトルに書いた大仰なものではないのだけど、SONG BOOKの収録曲をどのように選別しようか調べてたら、Wikipediaの解説が面白かったので引用。
音楽分野において、「スタンダード (a standard (複数/standards)」という用語は、もっぱらjazz (ジャズ)やpops (ポップス)などの20世紀来の近代音楽分野において用いられることがほとんどであり、たとえ広く周知されている楽曲であっても、国歌・各国の伝統的な古典楽曲や宮廷楽曲・宗教楽曲・民謡・伝承楽曲などに関して用いられることは洋の東西を問わずほとんど見られない。
これは、国歌・宮廷・宗教・古典・民謡・伝承楽曲が、その演奏・歌唱において規格化された旋律を再現することが有形無形に求められており、わざわざ「スタンダード」という形容をしなくても聴衆の皆が題目ないし曲名を聞くだけで画一的にその内容を認識できるのに対し、近代音楽分野における演奏・歌唱アーティストが先人の楽曲を先人へのトリビュートの念を込めて独自解釈の演奏・歌唱を展開したり、逆にあえて逆説的な主張を行うために自分なりの解釈・アレンジを加えて楽曲をリニューアルすることによってオリジナリティを発揮することに価値観を見出しているために、その有名楽曲を素材として規格化する意味合いをもって「スタンダード」と呼称する習慣が広く大衆に伝播したためである考えられる。[sic]
via 「スタンダードナンバー」Wikipedia

これだけの説明に句点は二つのみ。
切ないのは、僕が以前関わったアイリッシュやスコテッィシュその他の民族音楽でもスタンダードという呼称は普通に使われてたこと。
ともあれ、ジャズにとってスタンダードという言葉が特別な意味合いを持つことを説明したいという気持ちは伝わってきます。

ちなみにスタンダードナンバーは和製英語とのこと。


P.S.
結局、JAZZ STANDARD SONG BOOKはあえてスタンダードの定義にこだわらず、僕のやってるマヌーシュスウィングやフランスの楽曲、本人作のレコードしかないジャズミュージシャンの自作曲なども収録しました。
posted by Clark at 00:54 | Comment(0) | JAZZ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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