2014年08月28日

ギター風車

特殊奏法講座アクション編』で紹介した「GUITAR WINDMILL(ギター風車)」に関するYOUTUBE動画をまとめてみました。
初版脱稿した十数年前には考えもつかなかったけど、こうして気軽に世界中の動画を紹介できるとは便利な世の中になったものです。

有名なThe Whoの人の腕回し型ギター風車。

Wont Get Fooled Again
8:15分から。
今となっては控えめな腕回しだけど、リズムの合い方がポイント。ピッキングする直前の動作から、アウフタクトを弾くように拍子を感じ取るのがポイントです。

当人、ピート・タウンゼントの解説動画。(英語)




ここからは、いわゆる"guitar flip"(ギター回し)動画です。

解説動画。

Guitar flip tutorial: How to do a guitar flip

予めストラップが伸びきった状態で、反動をつけて躊躇せず回すのがポイント。
長いストラップやベースは地面との接触にも注意です。

ちょっとふざけた解説動画。(いわゆるギター回しではなく、ネックを振り回すバージョン)

ポイント
・準備運動としてストレッチを
・腰と肩の回し方が大事
・ドラマーやヴォーカルは風車をしてはならない。
・楽しんで



伝説的な失敗例

the most epic guitar swing fail
1:15から。
すぐに予備のギターに持ち替え点はGood。止めネジではなく、ストラップのエンドピン側の合皮部分がちぎれたようです。

ほかにもいろいろな失敗例。

Guitar flip goes wrong. IDIOT!

まずはっきりと意識しておかねばならないのは、ギターのエンドピンやストラップはギター回しをやる為に作られてはいないということ。
いのちをだいじに!




P.S.

文字通り、本物(?)のギター風車。
風が吹くと音色を奏でます。
タグ:ギター
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2014年08月19日

特殊奏法 ステージング編

ここではギター奏法以外のステージング論に関して考察します。
(もはや本講座の主旨とかけ離れてる気がするけど、気にせずに)




★アクシング
 アメリカ英語圏では、ギターやベース・ギターなど幾つかの楽器の事をスラング(俗語)として「AX(斧)」と呼び慣わしています。
 これはその形状や大きさ、使い慣れた愛用品といった意味合いなどから名付けられたものと思われますが、時として楽器そのものを文字通り「斧」として用いなければならない瞬間というのが長い音楽人生の中には登場します。
 それは、アルコールやその他禁止薬物などによって激しく酩酊した観客や、危険思想を持った観客、バンド・メンバーの誰かに恋人を寝取られたとかで激しく恨みを持った客などがステージに上り込んできた場合です。
 そうした場合、ヴォーカリストは武器となるものを何も持ちませんし、ベーシストは(ビシャス氏の様にステージ裏にゴースト・プレーヤーがいた場合を除き)音楽をキープする為にビートを刻み続けていなくてはなりません。
 ドラマーにはスティックという武器がありますが、彼彼女らはいかんせん素早く移動できない状況にあります。
(気の利いたドラマーの場合、危険分子を察知すると素早くシンバルの留め金を外し、ジャグラム(フリスビー型をしたインドの古典武具)の要領で標的に投げつけて撃退してくれる場合もありますが)

で、多くの場合、ギタリストである貴方の出番となるわけです。
コツは簡単でまさに斧の様にギターのネック部分をしっかりと握り、既に暴漢と化してしまった観客の頭にボディ部分を振り下ろすだけ。
(反撃を避けるため、戸惑いや手加減は禁物です) そしてその後、他の観客がドン引きする事は必至なので、前述した様々なアクションや雄たけび、弦の引きちぎりなどで豪快さをアピールし、これも「演出」の一部なのだと観客に思い込ませてしまいましょう。
(その間に気の利いたライブ・スタッフは気絶した暴漢を撤収してくれている筈です)

* そして、注意事項が一点。
 アクシングを行う際には、必ずストラップやシールドなどの付属物を外しておく事。
出ないとそれらが絡まって、暴漢を撃退するどころか貴方自身が自滅して怪我を負う危険がありますのでくれぐれもご注意を。




★ファイア・ブロウイング
 読んで字の如く「火吹き」芸です。
 多少の技術は必要ですが、文字通り熱く燃え盛るライブを行うにはもはや欠かせないステージングの一つとなったこの「火吹き」。
(但し、本項を読んで実行されて何らかの損害が生じても、当方は一切責任を持ってません)

 何故、ギタリストがそんな事をやらなければならないのか?
 他のメンバーでも良いのではないか?
 貴方はそう思うかもしれません。
 しかし、考えてみてください。
 ヴォーカリストや管楽器奏者は火吹きによって大切な喉や唇を痛めてしまってはその後の演奏が不可能に。
 ベースやドラムは前述したように、機関車でいえば車輪やレールにあたり、ライブのテンションを持続するという重要な役目を担っている為に常にビートを刻み続けなくてはなりません。
 同様に、複雑で高価な電子機器に囲まれたキーボディストやDJが「火吹き」をするべきで無い事も、賢明な読者諸氏にはすぐご理解頂けることと思います。

(ギタリストは機関車に例えるなら、たまに鳴る汽笛やモクモクという灰色い蒸気といったところでしょうか?
蛇足ながら、演奏の間のMCの最中における「火吹き」は最早タダの大道芸となってしまう為、僕としてはお勧めしません)

 という訳でやり方は、まず、吹くべきタイミングが近づいたら普段の水分補給の振りをしながら、予めグラスやペットボトルに容れておいた燃料をさりげなく口に含むこと。あとは、それをライターや(用意できる場合は)松明などに向け、一気に吹き付けるだけです。
 一気に燃料を火種に吹きつければ豪快な火炎放射に、霧状に吹き散らした後に火種を付ければ小規模な爆発となります。
(後者の方が危険度高し)
(最近は「ジャグリング」用の松明が「ハンズ」等で気軽に手に入ります)

 終わったらさっきと同様にさり気無く、水分補給用のドリンクを含んで口の中をゆすいでおきましょう。

 燃料としてオススメなのは白灯油、若しくはアルコール度数96%以上のウオツカ「スピリタス」です。
(気の利いたハコのマスターはドリンク・メニューには載せていなくとも一本位は常備しているものです)
ガソリンは気化した燃料に引火する恐れもあるし、後味も悪いのでお薦めできません。
トルエンは上記理由に加え、毒性が高いため特にお薦めしません!

 コツは、口に含んだ燃料が無くなっても勢い良く肺の中の空気が全てなくなるまで息を吹き切る事。
出ないと燃料が口元に引火して火傷しかねません。
あと、間違っても燃料を飲まない事。
(スピリタスの場合は一応飲料物でありますが、激しく酩酊してその後の演奏が困難になる事は必至です:経験者談)


* 注意事項:
・ライブ中は水を入れた容器と燃料を入れた容器の取り違えに注意!
(こっそりと分かりやすい印を付けておきましょう)

・衣装に毛羽立ったファーのついたモノや燃えやすい毛皮、発火性の高いヘア・スプレーなどは用いないこと!

・万一に備え、消化器やバケツは自前で用意しておくこと!

・事前に会場のマスターの許可は取っておくこと!
 勝手にやると多くのライブハウスの場合、以降出入り禁止となります。

・観客の中には炎を見て恐怖を感じ、それによってパニックを起こす方もいるので、その場合の対応も考えておくこと!

・ついついステージの前端に乗り出してブロウしたくなりがちですが、お客様との距離が近いステージでは絶対に吹かないこと!
 残った燃料がヘア・スプレーなどで綺麗にセットした観客の頭髪に燃え移ったりすると文字通り髪の毛のブロウに、或いはそれ以上の惨事となりかねません。

・上記を踏まえても、火吹きは観客からみて横方向に(勿論ヴォーカリストなど他のメンバーにも注意して)、斜め上方に向けて行うべきです。
 但し、天井が低いライブ・ハウスの場合は要注意。
ハコによっては少しでも天井を高くするために天井板を設けずに天井の配管がむき出しになっている所も多く、それらに引火したら新聞事の大惨事です。

・また、地下にあるライブハウスなど、多くのハコでは消防法によって火災報知機とスプリンクラーの設置が義務付けられているのでこの点にも要注意。
 もし、報知機が作動したら、観客は文字通り冷や水を浴びせられることになり(しかもスプリンクラーの水は古くなった汚い水であることが多い)、ライブの熱狂など一気に興ざめする事は必至です!

 要は冒頭と矛盾するけど、やらないにこした事は無いってこと!!
 (ある経験者談です)


*補足: 以前、路上演奏をしていた時の仲間で「火吹き芸」を生活の糧としている方がいました。
 彼の場合、MC(?)のご挨拶をしたかと思うと(燃料を含む準備動作なしに)手に持った松明からイキナリ火を噴きます。
 何故そんな事が可能なのか?
 タネは事前に白灯油を胃袋まで飲み込んでおき、人間ポンプ(よく飲み込んだ金魚とかを生きたまま吐き出す芸をするアレです)の要領で逆流させ口内に蓄積するというもの。
しかる後、数回ずつ分けながら噴き出していたのです。

胃の腑から灯油を逆流させる時の苦しげな彼の顔は、まさにその瞬間、彼の人生そのものを表現した漢(おとこ)の顔でした。

 そんな彼は激しい芸の結果、喉や消化器系を激しく痛めて声を出すのもやっとの状況となり、やがて路上から姿を消しました。
 思えば彼の場合、芸の最中にも官憲にショッ引かれる事がしばしばでした。
 それなのに何故、彼が「火吹き」にこだわったのか?

「今生きているうちにやらにゃあ、あかん」

 それは、文字通り彼の命をかけた「芸」であったのです。
(早いご回復を心よりお祈りします)
(追記:謹んでご遺徳を偲ばせて頂きます)




★弦切り
 これは文字通り、ギタリスト自身が弦を切ってしまうというステージ・アクションです。
これはそれ以上のアンコール曲がない事や演奏に辟易した事をアピールする為に用いられることもしばしばですが、 主に演奏中に一本ならず二、三本の弦が切れてしまいその後の演奏続行が困難になった場合や予測外のアクシデントが起こった時に、それを逆手にとってギタリストが注目を集めるというアクションです。
 コツはその際に、某泉谷しげる氏の様にニッパーなどを用意せず、豪快にその右手で引きちぎる事。
(その際、左手はネックのナット部分をシッカリと抑えてギターそのものが壊れないようにしましょう)
その際、多少の右手の流血などは発生しますが気にしてはいけません。




★裸芸
 ヴォーカルその他の一部のパートでは単なる露出狂となってしまいますが、ギターその他幾つかのパートではその楽器によって貴重部分を見えなくし、全裸でステージに立つという事がしばしば行われます。
 この場合の注意点は、ジャズ・ギターなどで良く見られるようにストラップを短くし、高い位置でギターを弾かず、必ずストラップを長くして貴重部が隠れるようにする事。
 また、ギター風車など前述した幾つかの「アクション」をする際には貴重部が露出する恐れがあるため両足を交差させて巧みに貴重部を隠蔽しなくてはなりません。
 そして、ステージ上の移動の際にはやむを得ず客席側に背を向ける場合もある為、臀部やその他周辺部分はお風呂でちゃんと綺麗にしておくように。

* また、ストラトキャスターなどアーミング用のスプリングが背面にあるギターでスプリング・ザクリの蓋を外している方は要注意です。
 ふとした瞬間にスプリングに体毛の長い部分が挟まれて身動きが出来なくなったり、最悪の場合、アーミングの際に貴重部の皮膚の最も柔らかい部分をスプリングに挟まれてドエラい事になります。
 あの時の痛さといったら!
 という事で、くれぐれもスプリング部分の蓋は面倒臭がらずに閉じておきましょう。



★ギター・ペイントに関して
(この項目自体は「ステージング」ではありませんが、一般論としての注意事項です)
 さて、本論で述べてきたような様々な奏法、アクション、ステージングなどを行う際、ギタリストの右手が負傷し、流血してしまうという危険はやむを得ないものです。
ですが、観客の中には流血を嫌ったり、それを見る事で不快感をもよおす方々が大勢います
(中には、格闘技ファンなどそれによって熱狂したり、変態的嗜好によって性的興奮を感じるお客様もいますが)

 で、僕としては流血を目立たせないため、白系統や木目を活かした薄い色のギター・ペイントはお勧めしません。
 購入の際は赤もしくは黒系統の濃い色の楽器を選び(もしくは自らリペイントし)、ストラトキャスターなどに見られる白いピックガードは油性ペンなどで濃い色に塗りつぶしてしまいましょう。




(以下、自主規制)



*上記の幾つかは、失われゆく文化を民俗学的見地から記録しておくべく記述しました。
 安全性や様々な観点から考えれば確かに消えていくべき運命の文化かもしれませんが、少しでも多くの方の記憶に残り、それらに命を掛けて来られた方々のご遺徳も偲ばれれば幸いです。
タグ:ギター
posted by Clark at 05:41 | Comment(0) | 特殊奏法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

特殊奏法 プリペアド編

ある日、僕が自分のギターの音色が気に入らなくなったというと、クラーク氏は言った。
「罪の無い者だけが石を投げろ!ならば、君もプリペアドすれば良いではないか」



 ここでは、ギターに予め細工を施す奏法、「プリペアド奏法」について解説します。
「プリペアド(prepared)」とは、「準備された」という意味であり、ピアノの世界ではジョン・ケージがその先駆者として余りにも有名ですが、弦楽器の世界では彼を遡ることはるか以前から「プリペアド奏法」は行われてきました。
ここでは、膨大な「プリペアド奏法」の数々の中から、身の周りの道具で簡単に再現できる幾つかを簡単に紹介します。


★ネック・ウェイト
 その事に何の意味も見出さず、ただ便利だからというだけの理由で使わないカポタストやクリップ式のチューナーをギターのヘッド部分に取り付けたまま演奏している奏者をよく見かけますが、これは特殊奏法の求道者としては余りにも無神経だと言わざるを得ません。
 何故なら、その事によって生まれる音程変化は、時に楽器屋で何本ものギターを試奏して気に入った一本を選び出す以上の効果があるからです。
(具体的にはアコースティック・ギターの場合、同じメーカーのワンランク上のボディが大きなギターを弾いた時の音色に近くなったりします)

 ならば特殊奏法の実践者としては、この「ウェイト(ヘッド部分のおもり)」を積極的に利用しない手はありません。
(ベース・ギター用には専門の器具が高値で売られていたりしますが、テノール・ギター(いわゆる普通のギターの事)の場合、ほんの僅かなウェイトによって音色が大きく変化する為、前述したカポタストやクリップ式チューナーで十分代用できますす)

 ここで重要になってくるのが、ウェイトを取り付ける位置です。
 前述のカポタストやクリップ式チューナーは、何気なくヘッド先端に取り付けている人が多いと思いますが(また、それ以外の位置だとペグの調整に支障をきたす為)、試しにその位置に他の部分に少しずらしてみてください。
 ウェイトの位置により、中音域、特にハーモニクスの音量などに変化が生じるのが分かると思います。
(これを積極的に利用する事により、音域やポジションによって音量に差のあるいわゆる「欠点ギター」や奏者自身の「悪い癖」、ギターを何本か持ち帰る際の「ギター独特のクセのバラつき」なども補正する事が可能です)

 気に入ったポイントが見つかったなら、ヘッド裏に「五百円玉」等をウェイトとしてガムテープで取り付けたり、ホーム・センターで手に入る「ミニ万力」をより強力なウェイトとして取り付けるのも一考です。


★ミュート奏法
 特にエレクトリック・ベース・ギターにおいてはコントラバスのピチカート的な音色を生むためによく用いられる奏法です。
(他に、スラップ・ベース奏法におけるノイズを抑制する為に用いられる事もあります)

 この奏法は、主に上述したような目的で用いられる「ブリッジ・ミュート」と、「人工ハーモニクス奏法」におけるノイズを抑制する為に用いられる「ヘッド・ミュート」の二種類があります。 後者は「ハーモニクス編」の解説に譲るとして、ここでは主に「ブリッジ・ミュート」について解説します。 (一点、「ヘッド・ミュート」に関しては、ヘッド部分にバンダナや紐飾りなどを垂らしておき、必要な時だけナット上それを被せてミュートする用法がある事を上げておきます)

 ギターにおけるミュート奏法は簡単なようで意外と難しいものです。
用いるのはスポンジやティッシュ、綿など何でも応用可能ですが、肝心なのは、
・必要以上にミュートし過ぎないこと(特に音域ごとのバラつきがない)。
・ギターのボディ表板の振動を殺して全体的な音量を落とさないこと。
・演奏中に誤って外れないこと。
・そして上記とは矛盾するようですが、必要に応じて着脱が容易である事。
などです。

全弦をミュートするなら、クラシック・ギターの練習用に販売されている「弱音器」を用いることも可能です。
(その場合、ブリッジぎりぎりに取り付ける事とより大きい音量に、ネック側に近づけるほど「ミュート効果」は大きくなります)

 また、ソロ・ギターやコード&ベース・バッキングにおいては五弦、六弦のみにミュートを取り付ける事でも面白い効果を生むことができます。
その際には五弦と六弦を挟むように切り込みを入れたスポンジ(ギターの表板に触れないよう注意)を準備する方法をお勧めします。


★シズル奏法  ブリッジ付近の弦に、文房具のゼムクリップ等を取り付けてシズルー効果を生み出し、「ガムラン(インドネシアの伝統音楽)」的な音色を出す奏法です。
(シズルとは水しぶきや肉が焼ける時の「ジュージュー」という音の事。「瑞々しさ」といった意味で使われる事もあり、また、器楽用語としてはそうした音色を生み出す器具そのもの(シンバルに穴をあけて鋲をを取り付けた楽器が代表的です)を指す場合もあります)

 この場合、取り付けるクリップの量が多いほど音色が強烈に変化し、音程感が希薄になるのは言うまでもありません。
シズル効果を生むと同時に弦自体をミュートして減衰音を著しく衰えさせる効果もある為、一般にこの奏法はパーカッシブなものと考えられており、主として激しくコードをかき鳴らすバッキングにのみ用いられています。
 しかしながら、工夫次第でリード・メロディにも応用は可能です。
例えば低音弦だけにゼムクリップを取り付けて高音弦のみでメロディを行う場合、ギターの傾け方次第で任意のタイミングにだけシズルー音を出すといった事が可能です。
 勿論、この逆に高音弦だけにクリップを取り付けて、低音弦でベース・メロディなどを弾き、右手の支えを開閉する事で好きな時にだけ「シズルー効果」を生じさせることも可能なのです。
(*この例に限らず、シズル奏法において「ギターの傾け方」は音色に大きく作用する重要なポイントです)

 当然ながら取り付けるクリップの大小、形状(楕円型か長三角形型か)、スチールかアルミか、ゴム・コーティングされたものか、厚み、表面の仕上げ(光沢仕上げかデコボコ型か)、など様々な要因によっても音色は変わってきますが、とりあえずは身の回りで手に入る品で色々と試すのが一番でしょう。
 繰り返しになりますが、この奏法においてギターの傾け方、加えてピッキングの強さや向きが重要なのは言うまでもありません。

 また、同様の奏法を「安全ピン」や「カード・リング(穴あけカードをまとめる為の金属製の輪)」を用いても行う事が出来ます。
その場合、「安全ピン」はその複雑な形状が弦に絡まる場合がある事、「カード・リング」は適切な大きさのものを選ばないと重量や容積がありすぎて弦をミュートし過ぎてしまう事といった注意点が挙げられます。

また、振動力の大きなギターを用いる際には、ヘッド部分のナットとペグの間や(テールピースのあるギターの場合)ブリッジとテールピースの間の弦に「シズル」を取り付ける事で、演奏に支障を来さず(持続音を減衰させず)にシズル音を生むこともできます。
(この場合、ガムランというより、「シタール(インドの古典楽器)」奏法と呼ぶべきでしょうか)

★その他  ギターのブリッジ付近、或いはナット付近にアルミ箔、セロファン、薄紙、輪ゴム、毛糸、その他、様々なものを取り付ける事により、前述したミュート効果やシズル効果、その他様々な効果を生むことが出来ます。
 工夫次第で貴方のギターの可能性は無限大に広がります!
(例えば、高音弦にシズルを取り付け、中音弦はそのまま、低音弦にはミュート、等々組み合わせ方も無限大です)



★シミュレーション奏法
 ギターを用いて他の弦楽器の音色を模倣する奏法です。
 様々な奏法がある為、筆者はとしてはここで、例として「ウクレレ」を模倣する奏法を紹介するに留め、以降は賢明なる読者の皆さま方の創意工夫にお任せする事にしたいと思います。

・ウクレレ奏法
 まず重要なのは弦の選択で、これはクラシック・ギターやフラメンコ・ギターに用いられる「ナイロン弦」(或いは入手可能なら「ガット弦」)がベストです。
これを、五弦六弦は外してしまい、四弦には一弦用(可能ならアルト・ギター用の一弦などより細い弦)を張って、これを通常の一弦より一音半高いG音にチューニングします。
そして、五弦にカポタストを取り付け、ウクレレ用のソフト・フラット・ピックもしくは親指で優しく爪弾けば完成です。

 と、ここまではあらゆる書物に書いてある用法ですが、筆者はウクレレ独特のテンション感を出すため(加えて前述した細い高音弦が入手しにくいこともある為)、上記のチューニングを全音下げ、代わりに7フレットにカポタストを取り付ける方法をお薦めします。
(或いはお使いのギターがロング・スケールの場合には、上述のチューニングを一音半下げ、8フレットにカポタストを取り付ける等、様々な創意工夫が可能です)

 そして、よりウクレレっぽさを出すには小さいボディ独特のサスティンの無さ(音の歯切れの良さ)も重要なポイントです。
これには、既に前記した「ミュート奏法」の応用が可能ですが、余りミュートをかけ過ぎると「それらしさ」を失う為、ベストな軽いミュートのかかり具合を各自研究してみてください。
また、より近い音色を追求したい方には(この時点で本物の「ウクレレ」を購入した方が楽だという事にお気づきかも知れませんが)、ボディの表板(或いは見た目を気にする方は側板や裏板の全面)にガムテープ等でウェイトを施し、ギター独特の「深い鳴り」を殺してしまうというのも一つの方法です。

* また、本家の「ウクレレ」自体にも様々なチューニングや弦の張り方のバリエーションがあります。
但し、それらを紹介する事は本項の主旨と離れる為、興味のある方は次号「役に立たないウクレレ講座」の刊行をお待ちいただくか、他サイトなどをご参照ください。
タグ:ギター
posted by Clark at 05:39 | Comment(0) | 特殊奏法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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